虫歯を溶かして治療〜カリソルブ〜

カリソルブ治療は、健康な歯質をほとんど削らない虫歯治療です。
むし歯の部分だけを溶かしてしまうというカリソルブ治療は、スウェーデン発の大変特徴的なむし歯の治療方法です。スウェーデン本国では1998年から臨床応用されています。今年2017年に成分の処方が一部改良され、より安全で確実な虫歯治療が行えます。(確実な虫歯治療とは当院が目指している歯髄を健康な状態で残し、歯の寿命を延ばしていくこと)

カリソルブは、歯科用の材料として安全性が確認されている次亜塩素酸ナトリウムとアミノ酸を使用した薬剤です。『カリソルブ』はむし歯を治療するためのツールですが、『ペリソルブ』という歯周病治療に使用するものもあります。両者を合わせて関係者の間ではではクロラミン療法と呼ばれていますが、実は大勢の患者様にお使いいただいているPOICウォーターと、考えがとても似ていると思います。

POICウォーターは細菌が作り出したタンパク汚れであるバイオフィルムを分解していきますが、カリソルブ・ペリソルブは細菌によって破壊された組織の有機質(細菌に感染しているのでバイオフィルムと同じ様なものと考えてます)を分解していきます。
むし歯の部分だけだけに作用するカリソルブは、より多く健康な歯質を残していけるのでほとんど削ることのない虫歯治療が可能です。
キィーンと鳴るドリルはほとんど使わない(金属や詰め物を外したり、カリソルブを注入するスペースがない場合は少しだけ削る場合もあります。また、レーザを代用することもあります)ので麻酔もしないで、むし歯治療ができます。

痛みに敏感な子供でも麻酔を使わずに治せることが多いです。緑色の柄の道具を使ってホジホジしてナデナデするとむし歯の部分がまさに溶けてしまうのです。この緑色の道具がないとカリソルブ治療は成功しないのです。角が尖って刃になっている部分がないので、とても繊細で優しくむし歯の除去が可能です。歯髄まで近いのに、刃が食い込んで削り取り過ぎたとか、保護すべき歯髄にダメージを与えない様になっています。

ドリルでは麻酔を使っての治療になることが多く、歯髄が『痛み』として悲鳴をあげていることにも気づかず、カリソルブ治療で保存できる歯の部分も削れてしまうためダメージが大きくなり、歯髄が徐々に死んでしまうことが多いのです。

赤丸の歯の矢印の部分が金属の縁から虫歯になっています。

レントゲンでは、歯髄までの距離が近いむし歯が確認されます。歯髄を健康な状態で残していくことを考えた時にカリソルブを使用しないと予後に不安を感じます。

金属を除去し、カリソルブを塗布し金平糖みたいな可愛い形をした専用の道具を使いナデナデしていきます。

むし歯が取れてきました。これを何回か繰り返していきます。

むし歯が取れました。カリソルブでむし歯を除去すると、ピーター・リングストローム教授のおっしゃる霜が降った感じ(フロストガラス)になります。この様に、むし歯以外の健康な歯質は配合されているアミノ酸により保護され、歯を健康的に守る、画期的な治療方法であると思います。この患者様には、この後歯髄の保護と歯質強化を目的にドックベストセメントを使わせていただきました。

歯髄がなくなった歯には、免疫力がありません。歯髄がなくなったことが原因で生じるトラブルもいっぱいあります。それが感染源になり全身疾患につながっていくとしたら、歯髄を守るべきであると当院スタッフ一同思っています。